iMVA  いばらきミニバレー協会                     SINCE : 4/28/2010 
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ミニバレーの運動特性と健康増進効果
   
    表題のミニバレーについて研究した論文を紹介いたします。
   これは2003年に北海道大学大学院教育研究学科紀要として発行され
   著者は侘美 靖氏; 黒澤 奈緒氏です。

     詳しくは以下の論文を読んでいただくとして、ここにその研究概要を
   記載します。尚、本研究にあるミニバレープレーヤーへのアンケートは
   2000年に行われておりますので、現在の年齢人口比などと違いがでている
   可能性があると考えられます。
   
       ミニバレーの運動特性と健康増進効果
                    北海道大学附属図書館のページより
  研究の目的
    幅広い年齢層の人がMVを楽しんで参加している要因について以下2点の
   検証をすることを目的としている。 
    @ボールの性質やルールに起因する運動特性
    AMVへの参加継続が健康の維持増進効果をもたらす可能性

  研究の方法
    1.MVの歩みを調べルールおよびプレーの特徴を概観
    2.「ミニバレーと健康」に関するアンケート調査
    3.MVの運動特性に関する実験調査
      (1)ボールの落下速度の測定
      (2)片手、両手のボール操作法と運動強度の測定
      (3)体格、身体組成および健脚度関連体力テスト

  結果    
    1.1972年に現全日本MV協会会長 小島秀俊氏により「あらゆる年齢の
      人たちが手軽に参加でき、仲間の輪を広げられること」を願い考案され
      普及していった。
  
    2.全日本MV協会加盟の全国62協会に対しアンケートを行った結果
      「MVへの参加継続の理由」として、「楽しい」「運動が好き」がそれぞれ
      75.3%、65.1%と多くの回答を得ているのに対し、「大会成績」
      「技術向上の自覚」は14.9%、14.2%となっている。

      MVのボールに対する恐怖感を他種のボールと比較質問では
      MVへの恐怖感が17.6%であるのに対し、他のそれは41.9%と
      2.4倍の強さである。

      MVのプレーに対する認識、自覚に対する質問にたいしては
      スパイクなど攻撃的、積極的なプレーが楽。
      体力的に優位と思われる相手にも勝てる。
      年齢、性別に関係なく一緒に楽しめる。
      など、7割が肯定的回答であった。

      運動強度レベルの自覚は「適度である」と20代以上がすべて80%を
      上回っている。

    3.(1)ボールの落下速度の測定では、MV、ソフトバレー、バレー、バス
        ケット、テニスの各ボールを落下させ、その加速度を測定した。
        その結果、ある時間まではすべて同様に加速していくが、途中から
        MVのボールだけ加速度がかなり小さくなっていくという特性が明らか
        になった。(図5)
         注)これは、他のボールより落下速度が遅いことを表し、バレー
           ボール経験者がいきなりMVを体験した場合、スパイクのジャン
           プのタイミングが早すぎてしまう、よくある事例です。(管理人)

      (2)MVでは片手でボールを操作する場合が多く、本研究では
         その動作に注目し、片手と両手での運動強度の差を確認している。
         両操作での心拍数を比較したところ、両手126.5拍/分に対し
         片手では113.5拍/分と、片手での運動強度が軽いと判明した。

      (3)MV愛好者達と健康教室へ参加しはじめた人達のBMIや体脂肪率
         などに差はみられないものの、健脚度関連体力はMV愛好者が
         優れているとの結果がでた。

  まとめ (原文のまま) 
      1.1972年に小島秀俊により考案されたミニバレーは,誰もが気軽に
        参加でき,若者から高齢まで楽しめる生渡スポーツである。  
      
      2.. ミニバレーが幡広い年齢層から支持される理由は,緩急のスピード
        と変化に対応できる軽量で大きな体積のボールの特性に起因する
        ところが大きい。
      
      3.ミニバレーが身近な小規摸施設を利用して行なうことのできるスポー
        ツであることは,運動を生活の中に取り入れ習慣的に継続するため
        の大きな要因である。
       
      4.中高年者が習慣的にミニバレーに参加し続けることは,楽しみながら
         社会参加を促し,寝たきりや生活習慣病を低減して健康寿命の延伸
        を図る効果が期待できる。
      
       5. ミニバレーは楽しさと取り組みやすさのために,プレーのやり過ぎに
        よる慢性疲労やスポーツ障害を引き起こす危険性も含んでいる。
        健康管理に関する知識と実践法の普及も必要である。

                          以上 概要終わり

    本論文はミニバレーを科学的に調査研究した数少ないものと思います。   
   上記概要には考察の部分を記してはいませんが、極めて興味深い内容
   が述べられています。  
    是非研究論文をご一読いただき、ミニバレーのもつ素晴らしい効果、魅力
   また危険性をも再度認識していただき、更にミニバレーを楽しみ、普及の一助
   となることを願っております。

                    (いばらきMV協会 HP管理人G)